【改善例紹介】親指の付け根が痛い【母指CM関節症】

こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。

今回は、「親指の付け根が痛い(母指CM関節症)」という方の改善例を紹介します。

この方の痛みは、「肩から前腕の筋肉が硬いこと」が原因で、親指に過剰に負担がかかったものでした

なぜその部分に痛みがでていたのか、どうすれば改善したのかを記載していきます。

目次

患者さんの情報と訴え

この方は50代半ばの男性で、2か月ほど前から、なんとなく右の親指の付け根の部分に違和感が出現しました。

仕事ではデスクワークが多く、パソコンやマウスの動作での違和感が強くなり、徐々に違和感から痛みへと変わり、痛みもどんどん強くなってきました。

痛みが強くなってきたため、ペットボトルの蓋を開ける動作やペンで字を動作がつらくなってきたため、整形外科を受診されました。

レントゲン検査を受け、「母指CM関節症」を診断され、リハビリとして電気治療を受けていましたが、症状が変わらずに困っており、

このまま仕事も出来なくなってしまうのではないかとの不安もあり、なんとかできないかとご相談を受けました。

症状が出ていた部分を下の画像①に示します。

<画像①:痛みの出ていた部分>

この部分は、親指(母指といいます)の「CM関節」の部分です。

CM関節については、後で説明しますね。

親指(母指)の特徴とCM関節

母指のCM関節を下の画像②に示します。

<画像②:母指のCM関節>

親指は、他の4本の指と違って、この「CM関節」から動きが始まります。

よく手を見てみると、親指だけ指の腹の向きが違いますよね?

少し斜めを向いてませんか?

むしろ親指が他の4本の指とは向きが違うからこそ、物をつまんだり、鍵をかけたりといった動作ができるんです。

なので、物をつまむ・つかむという動作は、母指に常に負担がかかりやすい動作です。

その負担が過剰にかかり続けると、親指(母指)の骨が負荷に対抗しようとして変形してしまう「母指CM関節症」になってしまうんですね。

母指CM関節症とは

母指CM関節症とは、「母指(親指)」に「変形性関節症」が起こった疾患です。

変形性関節症とは文字どおり、関節が変形してしまって痛みや動かしにくさなどの症状をともなう疾患です。

レントゲン画像を下の画像③に示します。

<画像③:母指CM関節症のレントゲン画像>

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、矢印の部分は先ほどの画像②の部分を示しています。

変形性関節症は内科的な原因でも引き起こされますが、多くは「身体のバランスが崩れて、特定の部分に負担が集中してしまうこと」が原因だと私は考えています。

「身体のバランスが崩れる」とは、どういうこと説明しますね。

人間の関節には、本来動きが出てほしい「可動性の関節」と、安定性が求められる「安定性の関節」があります。

その「可動性の関節」が筋肉の硬さなどで動きがでなくなると、「安定性の関節」に負担が強くかかります。

その状態が長く続きすぎると、関節が変形してしまうと考えています。

人間の関節の特性について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

この方の痛みの原因

では、この方の痛みの原因は何だったのかというと、「肩から前腕の筋肉が硬いこと」でした。

「肩から前腕」とは、下の画像④の部分のことです。

<画像④>

この方の場合は、特に前腕(肘から手関節にかけての部分)の硬さがとても強かったです。

前腕の硬さがある方というのは、親指や手関節に痛みがでやすいんです。

過去の記事でまとめておりますので、時間があればごらんください。

また、肩周囲の筋肉が硬いと、肩こりの原因にもなります。

このクライアントさんに確認すると、なんと20年来の肩こりがあるとのこと。

20年来は相当な硬さです!

そのことを念頭に置いて、施術アプローチの要点についてまとめます。

施術アプローチの要点

施術アプローチの中心は、「肩から前腕の筋肉の柔軟性をだして、母指にかかる負担を減らしていくこと」でした。

通常、筋肉が硬くなった状態ではストレッチで伸ばしてあげることが有効ですが、20年来の肩こりがあるほど筋肉が硬くなっている場合では、なかなか筋肉がほぐれてこない場合があります。

このクライアントさんもその状態でした。

そういう場合には、「筋膜」からしっかりと柔らかくしていくと、筋肉自体も柔らかくなっていきます。

筋肉は筋膜でおおわれているため、筋膜にゆとりを作ることで、筋肉にもゆとりが生まれます。

よく巷で言われる「筋膜リリース」みたいなものですね。

まず手関節に近い前腕部分から重点的に施術し、徐々に肩の方まで施術範囲を広げていきました。

身体はつながっているので、ある場所へ良い影響があると、それは波及していきます。

なので、その変化を感じながら施術していきました。

初回の施術後でも少し症状が軽減しており、自宅でも上記の筋肉部を重点的にセルフケアしていただくことで、私の予想以上に早く良くなっていきました。

施術を繰り返していくことで当初の痛みがかなり軽減したため、サポーターを用いながら日常生活を送っていただき、

現在は再発予防のため、月に一回継続して通院していただいております。

まとめ

今回は、「肩から前腕の筋肉が硬いこと」が原因で、親指に過剰に負担がかかっていた母指CM関節症のクライアントさんの改善例を紹介しました。

人間の関節には特徴があり、そのバランスが崩れた時に痛みをだしやすくなります。

人間本来の関節の動きをだし、適切な部分に筋力をつけていくことが大切です。

まずは痛みの根本の原因をしっかりと追究することが重要です。

原因となる部位に正しくアプローチできていれば症状は改善しますが、原因ではないところをいくらストレッチしたりほぐしても、症状が改善することはありません。

私は、あなたの痛みの本当の原因をしっかりと見つけていきます。

当院では、あなたのお身体の状態に合わせて施術を行わせていただきます。

もし何かお困りのことがあれば、遠慮なくご相談ください。

今回も、読んでいただきありがとうございました。

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姿勢と歩行の整体院 柔道整復師 渡辺雅之

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