こんにちは。姿勢と歩行の整体院の渡辺です。
今回は、親指の付け根に痛みをだす【母指CM関節症】について記載していきます。
クライアントさんに聞く話では、整形外科では「手術以外にできることはない」などと言われることがあるみたいです。
しかし、手術をする前に、痛みを減らすためにできることはあると考えています。
結論から言うと、「母指CM関節症の根本原因は親指の動きの悪さ」です。
母指(ぼし)とは親指のことです。以下、親指のことを「母指」と記載しますね。
母指CM関節症は、一度の負荷でなるわけではありません。
母指の動きが悪い状態で何年も負荷がかかり続けた結果、母指の付け根の関節がおかしくなってしまった状態が【母指CM関節症】です。
母指CM関節症とは何か、どういう負荷がかかっているのか、ご自宅出来るセルフケアなどを紹介していきます。
母指CM関節症で痛みが出る部分は3パターン
母指CM関節症とは、骨が変形して痛みや腫れなどをきたす変形性関節症です。
痛みが出る場所は、以下の部分です。
なぜこの部分に痛みが出るのかというと、親指というのは関節の形態上、この部分で動くんです。
あなたも親指をぐるぐる回してみてください。
この部分で動いている感じがしませんか?
だから、母指CM関節症ではこの部分に痛みが出るんですね。
痛みが出る部分は「手のひら側・外側・手の甲側」の3パターン
母指CM関節症では母指の付け根に痛みが出ます。
痛みが出る部分は、厳密には、「手のひら側・外側・手の甲側」の3パターンに分類されます。
【手のひら側】
【外側】
【手の甲側】
人によって痛みが出る部分は違いがあります。
それはその人の母指の動きのどれが一番悪くなっているのかによって決まります。
その関係性を次で述べますね。
母指CM関節症で痛みが出る動きも3パターン
母指CM関節症で痛みが出る部分は3パターンでした。
そして母指CM関節症で痛みが出る動きも3パターンです。
それら3つの動きとは、
- 母指をそらす
- 母指を開く
- 母指を曲げる
です。
それぞれ図解すると、
【母指をそらす】
【母指を開く】
【母指を曲げる】
これらの動きが組み合わさって、母指を使う動きすべてを構成しています。
たとえば、ペンで文字を書く動作。
この動きは、「母指を開く」動きと「母指を曲げる」動きが組み合わさった動作です。
このように、母指の複雑な動きは構成されています。
母指CM関節症になる根本原因は「母指の動きの悪さ」
母指CM関節症になる根本原因は「母指の動きの悪さ」です。
つまり、母指を「そらす」・「開く」・「曲げる」のどれか、または全てが正しくできなくなると、母指の動きに支障が出ます。
たとえば先ほどのペンで文字を書く動作をしたいのに、「母指を開く」動きがでないとします。
そうなると、母指としては開きたいけれども、動きはでない。
そうなると、無理矢理に母指を開くわけです。
無理矢理に母指を開くから、母指の付け根の部分、つまりCM関節に負荷がかかります。
その負荷が何回も何回も蓄積してくると、関節が耐えきれなくなって、「痛み」がでてきます。
そして母指の動きの悪さをつくっているのは「筋肉の硬さ」です。
硬くなっている筋肉は、母指周りの筋肉です。
母指周りには、たくさんの筋肉があります。
【母指を手のひら側から見た図】
【母指を手の甲側から見た図】
ヒトって、手で細かい作業ができますよね。
これは母指や手の周りにたくさんの筋肉があるからです。
それはとても良いことなんですが、筋肉が硬くなると大きな問題になります。
これらの筋肉の働きは骨を動かして身体を動かすことなので、硬くなると身体の動きを制限します。
ブレーキをかけてしまうんですね。
ではどうすればいいのか、筋肉を柔らかくして母指が正しく動くようにしましょう。
母指CM関節症の痛みを減らすために「筋肉を柔らかく」すればいい
筋肉が硬くなるから、母指が正しく動かなくなる。
そうなると母指の付け根(CM関節部)に負荷がかかり続ける。
それが何回も何回も蓄積すると、CM関節が負荷に耐えきれなくなって、痛みが出てくる。
なので、硬くなっている筋肉を柔らかくしましょう。
そうすれば母指CM関節部にかかる負荷が減るので痛みが減ってくるはずです。
【セルフケア】筋肉を柔らかくするにはストレッチより「ほぐす(マッサージ)」ことがおすすめ
筋肉を柔らかくする方法は大きく分けて2つです。
- ほぐす(マッサージ)
- ストレッチ
このどちらかです。
ただ、一般的な母指のストレッチは、以下のようなものが紹介されます。
これをやったら絶対痛いじゃないですか?
なのでストレッチは不可能です。
なので私は、ストレッチではなく「ほぐす(マッサージ)」ことをおすすめします。
それはなぜかというと、同じ1つの筋肉でも硬い部分と柔らかい部分があるんです。
例えるなら、腰に巻くベルトを筋肉とすると、ベルトの前側半分は硬いけど、背中側半分は柔らかいみたいなイメージです。
ストレッチをすると、筋肉全体を伸ばすことになり、硬い部分より柔らかい部分が伸びてしまうという特徴があります。
なので、硬い部分だけをピンポイントでほぐして柔らかくする方が効果が高いです。
母指CM関節症の方がほぐすべき部分は「母指の手のひら側と手の甲側」
筋肉のどの部分が硬いのかは人によって違います。
これらの筋肉がある母指の周辺を触ってみてください。
このあたりです↓。
重要なのは、母指の付け根(CM関節)部はやらないようにしてください。
痛みがあるところをほぐすと、痛みが増す危険性があるからです。
たとえるなら、「たんこぶ」を押すようなものです。やめておきましょう。
痛い方の手と、痛くない方の手の同じ部分を触って比べてみてください。
やたらと硬い部分はありませんか?
そこを手で軽くほぐしてみてください。それだけで大丈夫です。
他の部分と比べて硬い部分をほぐすと、その部分が柔らかくなる。
その状態で、また他の部分と比べて一番硬いと感じる部分をほぐす。
それを繰り返してみてください。
触ってみて「なんかここ硬いな」という部分をほぐすことが大切です。
もし、母指を動かして痛い方は、ある程度ほぐしてみて、ほぐす前と後で星を動かす時の痛みが少しでも減っていれば正解です。
ただ、経過が長い方(たとえば2年前から痛い方)は、筋肉がとても硬くなっているため、少しほぐしただけでは痛みが減らないことが多いです。
なので、少しほぐして痛みが引いてこない場合にはすぐに諦めず、しばらくほぐしてみてください。
注意点としては、あまり強い力でほぐすと筋肉を痛めてしまうので、「痛気持ちいい」くらいの力でやってください。
また、ほぐしていると手がしびれてきたりする場合には、神経を圧迫している可能性があります。
場所をずらして、しびれがないようにほぐしてください。
まとめ
今回は、母指の付け根に痛みをだす「母指CM関節症の根本原因」とセルフケアについて記載しました。
母指CM関節症の根本原因は、母指の周りの筋肉が硬くなっていることです。
母指周りの筋肉が硬くなると、母指が正しく動かなくなります。
母指の動きは「そらす」・「開く」・「曲げる」の3パターンです。
それらの動きが、硬い筋肉によって制限されるので、母指の付け根の「CM関節部分」に負荷が集中します。
その負荷が何回も何回も蓄積することで、関節に痛みがでてくるんですよね。
だから硬くなっている筋肉をほぐして柔らかくすることで、母指が正しく動くようになる。
そうすればCM関節部にかかる負荷が減るので、痛みがでにくくなるはずです。
ぜひやってみてください。