「痛み」の考え方・施術方針

目次

痛みの根本原因

最初に私の結論を述べると、

痛みの根本原因は、「筋肉が硬くなって関節が正しく動かなくなること」です。

そして、

正しく動かなくなった関節そのものに痛みがでる場合(膝が多い)と、

正しく動かなくなった関節の隣の関節に痛みがでる場合(腰が多い)があります。

変形がすごく進行している方の場合は難しいですが、

多くの場合、筋肉が硬くなって関節の動きを制限しています。

なので私のやることは、「正しい関節の動きを制限している筋肉を見つけて、柔らかくすること」です。

動きを制限している筋肉が柔らかくなれば、関節が正しく動くようになるので、負荷が減る結果、痛みが減ります。

痛みが減ったら、その状態を維持し、痛みのでにくい身体にしていきましょう。

「痛み」の出方は2パターン

私は、「痛み」の出方は2パターンだと考えています。

それは、

  1. 過剰に「伸ばされている」パターン
  2. 過剰に「圧縮されている」パターン

このどちらかになっています。

過剰に「伸ばされている」パターンと具体例

「伸ばされる」ストレスがかかりすぎて、痛みがでています。

これはどういう状態なのかというと、たとえば「輪ゴム」をイメージしてください。

その輪ゴムを左右に思いっきり引っ張った状態です。

あまりにも輪ゴムを引っ張ると、ゴムが切れてしまいますよね。

だけど、人間の身体では、切れることはない。

その代わりに、「痛み」がでます。

具体的な例

たとえば、「前屈すると腰が痛い」。

こういう方は非常に多いと思います。

細かい内容は下の記事↓で紹介していますが、起こっていることはシンプルです。

前屈とは、下の画像↓のように身体を前に曲げる動きです。

身体を前に曲げるので、この動きで伸ばされるのは、身体の後ろ側の筋肉です。

具体的には、腰、お尻、太ももの後ろ、ふくらはぎの筋肉です。

しかし、お尻、太ももの後ろ、ふくらはぎの筋肉が硬くなっているとしたら、どうなるか。

腰だけが過剰に伸びてしまうんです。

その状態で日常生活を過ごすと、腰の筋肉がいつも伸ばされているので、先ほどの「輪ゴム」の状態になり、痛みが出ます。

これが、「過剰に伸ばされているパターン」です。

施術方針

上記の腰の痛みの場合で説明しますが、非常にシンプルです。

腰の筋肉以外の「お尻、太ももの後ろ、ふくらはぎの筋肉」を柔らかくすることです。

腰以外が柔らかくなれば、腰だけが伸びすぎることがなくなります。

そうすれば、痛みが減っていきます。

過剰に「圧縮されている」パターンと具体例

「圧縮される」ストレスがかかりすぎて、痛みがでています。

このパターンも腰で例えたいと思います。

具体的な例

たとえば、「後屈すると腰が痛い」。

後屈とは、下の画像のように「腰をそらす」動作です。

腰をそらす動作で柔らかくないといけないのは、「太ももの前の筋肉」と「お腹の筋肉」です。

このどちらか、もしくは両方の筋肉が硬くなっている場合には、正しく腰がそれません。

正しく腰がそれない状態で、無理矢理腰をそることになるので、腰の関節が過剰に圧縮されて、痛みが出ます。

これが、「過剰に圧縮されているパターン」です。

施術方針

こちらも上記の腰の痛みの場合で説明しますが、非常にシンプルです。

腰をそらす動きを正しく出すために、 「太ももの前の筋肉」と「お腹の筋肉」 を柔らかくすることです。

正しく腰をそる動きがでれば、腰への圧縮力も減るので、痛みが減っていきます。

これで大丈夫です。

痛みの原因を見つけるための「姿勢分析」と「歩行分析」

私の大切にしているものが、「姿勢分析」「歩行分析」です。

姿勢分析

歩行分析

なぜ姿勢と歩行を評価するのかというと、その人のどの筋肉が硬くなっているのかがわかるんです。

近年、AIなどを用いて数値をだしたりしていますが、当院では私自身の目で確認しています。

たとえば、「しばらく立っていると腰が痛くなってくる」という人がいます。

そうなると、まず立っている姿勢と見ると、何かしら異常があるわけです。

たとえば、「右側の骨盤だけやたらと前に傾いている」などです。

歩行分析では、その異常がどこが原因が起きているのかが詳しくわかるんです。

たとえば、「右側の股関節の前側の筋肉が硬くなっている」などです。

そして、正しく動いていない関節と、その人の症状を結びつけて、アプローチしていきます。

その人の症状があり、その原因を突き止めるための検査として、行っています。

筋肉をやわらかくするのに「筋膜リリース」を行います

あなたの姿勢と歩行を分析することで、硬くなっている筋肉を見つけます。

そして、硬くなっている筋肉をやわらかくしていくんですが、

そのやり方はいわゆる「筋膜リリース」です。

筋肉は、筋膜という膜に包まれています。

筋肉自体をやわらかくするのに、まず筋肉を包んでいる筋膜をやわらかくします。

そうすると筋肉がのびやすくなるんです。

ストレッチではなく筋膜リリースをする理由

ここで、「ストレッチでもいいんじゃないの?」と思われたかもしれません。

確かにストレッチはよくやりますよね。

しかし、ストレッチしても本当にやわらかくしたい硬い部分が伸びていない」ことがあります。

これは左お尻の筋肉のストレッチです。

しかし、人によって伸びる場所が違うんですよ

これが重要です。

たとえば、太ももに近い部分が伸びる場合もあるし、腰に近い部分が伸びる場合もあります。

人によっては、お尻の筋肉ではなく腰が伸びる場合もあります。

一つの筋肉でも、硬い部分とやわらかい部分があります。

なので、ストレッチしても本当にやわらかくしたい硬い部分が伸びていないことがあります。

そういう方が、「ストレッチをどれだけやっても良くならない」んだと考えています。

ストレッチのやり方は正しいんですが、その方の筋膜・筋肉が硬すぎて伸びない。

これが問題です。

なので当院では、硬い部分を直接やわらかくする「筋膜リリース」を行います。

痛みが減った後は「痛みのでにくい身体」を維持しましょう

痛みが減った後は、その状態を維持するために、必要な筋力トレーニングやストレッチを継続する必要があります。

人それぞれ生活習慣・生活環境は異なります。

身体の動かし方のクセもあるため、硬くなっている筋肉も違いますし、その程度も違います。

なので、施術部位は違いますが、基本的な考え方は同じです。

あなたの身体の正しい動きを制限している筋肉を見つけて、柔らかくして、負荷を減らす。

負荷が減れば、痛みも減ります。

痛みが減ったら、もう痛みがでないような身体を維持する。

これが私の痛みの捉え方と施術方針です。

各関節ごとの考え方はブログ記事でまとめておりますので、そちらをご覧ください。

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