こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。
今回は、「ランニングで膝の裏が痛くなる」という方の改善例を紹介します。
結論から述べると、この方の痛みは「膝のねじれが強いこと」が原因で、膝の半月板(はんげつばん)に過剰にストレスがかかった結果でした。
なぜその部分に痛みがでていたのか、何が問題だったのか、どうすれば改善したのかを記載していきます。
患者さんの情報と訴え
この方は40代後半の女性で、週に3~4日程度のランニングを趣味でやってらっしゃいました。
最近走る距離を徐々に伸ばしていたところ、膝の裏側に違和感がでてきて、だんだんと強くなっているとのことでした。
整形外科を受診しレントゲン検査とMRI検査を受けたところ、半月板損傷と診断され、これ以上ひどくなったら手術になるかもしれないと言われ、これからも走りたいし困っているとご相談いただきました。
痛みがでていた部位を下の画像①に示します。
<画像①:体表から見た部位。膝を後ろ側から見ています>
ここは右膝の裏の内側の部分で、「半月板損傷」の方はこの膝の裏側に痛みがでやすいんです。
半月板損傷になぜなるのかというと、1回の強い外力で損傷するパターンと、繰り返しのストレスで損傷するパターンの2つのパターンがあります。
1回の外力のパターンは、たとえばラグビーで膝に強烈なタックルをくらって膝がねじられるというものです。
繰り返しのストレスのパターンは、目立った外傷がなく、ぶつけたりひねったりしていないのに、なぜか徐々に痛みがでてきたというものです。
では次の章で、なぜ半月板に過剰にストレスがかかっていたのかを説明します。
この方の痛みの原因
この方の痛みの原因は「膝のねじれが強いこと」でした。
膝関節というのは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)と膝蓋骨(膝のお皿の骨)の3つの骨で構成されています。
そして半月板は、大腿骨と脛骨の間にあります。厳密には、脛骨の上面に付いています。(下の画像②・③に示す)
<画像②:ひざを側面から見た図>
<画像③:ひざを上から見た図>
半月板は大腿骨と脛骨の間にあるため、常に荷重がかかっています。
なので何らかの原因で大腿骨と脛骨の位置関係が悪くなった状態、つまり「膝のねじれ」が強くなると、半月板には大きなストレスがかかります。
常に上下から力がかかっているのに、「ねじれ」が加わることで、すりつぶされるようなストレスが半月板にかかります。
膝のねじれが強い方は通常の歩行でもストレスがかかりますが、ランニングなどの強いい負荷の動作になると、いずれ組織が耐え切れなくなって損傷してしまいます。
具体的には、この方は「大腿骨の内側へのねじれ」が非常に強くなっていました。(下の画像④に示す)
<画像④:右の大腿骨が内側にねじれる様子>
次に、施術アプローチの要点についてまとめます。
施術アプローチの要点
施術アプローチの要点としては、「大腿骨を外側に誘導していくことで、膝のねじれをとっていくこと」でした。
具体的には「筋肉」や「筋膜」へのアプローチです。
筋膜は筋肉の表面をおおっている膜なので、筋肉と非常に関連しています。
それらを筋膜リリースしながら柔軟性をだすことで、徐々に膝の位置関係も改善していきました。
位置関係が正常に戻ってくると膝が正しく動くため、結果として半月板のストレスが減ります。
半月板のストレスが減ることで、痛みが減っていきました。
徐々に徐々に走れる距離も伸びていき、最終的には症状が緩解し、またランニングに取り組めていると喜んでいただけました。
ただ半月板の痛みは無くなりましたが、損傷した半月板が治癒したわけではないので、日常生活でも半月板にストレスがかかりにくい動作指導を行い、施術終了となりました。
まとめ
今回は、大腿骨が内側にねじれたため膝関節の位置が悪くなっていることが原因で、膝の半月板にストレスがかかり、ランニングで痛みがでていた方の改善例を紹介しました。
半月板はいったん損傷すると、組織そのものの治癒は難しく、手術適応といわれることも多いです。
しかし、半月板にかかるストレスを減らすことはできます。
ですので、なぜその部分に痛みがでているのか、なぜその部分にストレスがかかっているのかをしっかりと探求していくことが重要です。
この方のように、痛みがでている部分の原因が痛みがでている部分(患部)にはないことがほとんどです。
私は、そこをしっかりと見つけていきます。
当院では、あなたのお身体の状態に合わせて施術を行わせていただきます。
もし何かお困りのことがあれば、遠慮なくご相談ください。
今回も、読んでいただきありがとうございました。
【過去の記事で、半月板損傷や変形性膝関節症などの記事をまとめております。気になる方はご覧ください】
・半月板の記事はこちら↓
名古屋市北区 地下鉄志賀本通駅から徒歩5分
姿勢と歩行の整体院 柔道整復師 渡辺雅之
お問い合わせはこちらをクリック