こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。
今回は、右肘の外側の痛み(テニス肘・外側上顆炎)を訴えられた方について紹介させていただきます。
患者さんの情報と訴え
この方は40代半ばの女性で、車の部品の製造のお仕事をされている方でした。
徐々に右肘の外側の部分の痛みが強くなり、お仕事柄かなり辛くなってきたため、整形外科に行きレントゲン検査を受けました。
結果的に骨に異常はなく、お医者さんからは「手の使い過ぎが原因の、いわゆるテニス肘ですね」と診断を受け、湿布を処方され、リハビリテーションをその日に受けました。
しかし患部に超音波治療器を当てられたらもっと痛くなってどうしようか悩んでいる、とのお話でした。
痛みが出ていた部分は下の画像①の青い丸の部分です。

<画像①:右肘を後ろ側から見た画像>
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは
「テニス肘」は、整形外科的な病名で「上腕骨外側上顆炎」といいます。
病態は、手や指を反らす筋肉が肘の外側に付いていますが、何らかの理由でこの筋肉群が過剰に使用されると、骨の部分が引っ張られすぎて炎症を起こしてしまうというものです。
テニス肘と呼ばれる理由は、テニスのバックハンドでは手を反らす筋肉が使われやすいため、痛みが出やすい方が多いからです。
この方の問題点
お仕事はもちろんのこと、家事にも支障がでているため、何とかしたいとの思いをお聞きしたあとで、姿勢と骨格の向き、関節可動域を中心にチェックさせていただきました。
この方の問題点は、特に鎖骨の下の部分から上腕の前・外にかけての部分がものすごく硬くなっていることでした。
具体的な部分は、以下の画像②に示します。

<画像②:この部分が硬くなっていました>
そのことによって、肘の回旋運動が阻害されてしまい、結果的に腕の筋肉を必要以上に働かせないといけない状態になっていました。
だから必要以上に肘の外側の部分にストレスがかかり、痛みがでていたんです。
初診時の午前中も痛いながらお仕事をしてきたとのことで、患部に炎症(痛み・腫れ・赤くなる・触ると熱いを伴う状態)を起こしていました。炎症がある場合は、まずは炎症を鎮めなくてはいけません。
わかりやすいイメージとしては、頭にたんこぶができている状態です。
たんこぶは触ると治りが遅くなりますよね。
なので、まずはしっかりと安静を保ち、冷やすことが重要です。
私は、患部にかかるストレスを減らすことで肘の痛みを軽減させていくことはできますが、今起こっている炎症をこの場ですぐに無くすことはできないことをしっかりと説明しました。
そして患者さんご本人には、ご帰宅いただいた後もしっかりと安静と冷却をしていただく必要がある旨をご了承いただいたうえで、施術に入らせていただきました。
炎症に関しては、以下の記事でまとめておりますので、気になる方はクリックしてごらんください。
施術アプローチの要点
施術としては、
- 鎖骨から上位の肋骨の部分の可動性を改善させること
- 上腕の前や外の部分の硬さを除去すること
によって、肘の負担を減らしていきました。
また、自宅でできるセルフマッサージ・ストレッチもお伝えしました。
具体的には、以下の画像③のようなストレッチです。

<画像③:胸の前のストレッチ>
他の患者さんと同じく、この方も非常に積極的に自宅でのセルフケアに取り組んでくださったため、私の予想よりもかなり早くに改善していくことができ、非常に驚かせてもらいました。
以前の手首の腱鞘炎の方↓と同じように、この方も痛みの出ていた右側に肩こりがありました。

ストレッチなどをするにつれ、肩こりが以前より楽になったと喜んでいらっしゃったのも印象的でした。
症状が出ている部分だけでなく、その周囲の関節のチェックは必ず行う大切さを再度実感させていただきました。
肘関節や手首の痛みでも、姿勢や歩行は大きく関わっています。
何かお困りのことがあれば、遠慮なくご相談ください。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。

【過去の記事で、膝関節・足関節を中心に、腰・股関節など各関節の記事をまとめております。気になる方はご覧ください】
・膝関節の記事はこちらから→「膝関節の痛み・症例」の記事一覧
・足関節の記事はこちらから→「足関節の痛み・症例」の記事一覧
・腰の記事はこちらから→「腰の痛み・症例」の記事一覧
・股関節の記事はこちらから→「股関節の痛み・症例」の記事一覧
・肘から手の記事はこちらから→「肘から手の痛み・症例」の記事一覧
・首から肩の記事はこちらから→「首から肩の痛み・症例」の記事一覧
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姿勢と歩行の整体院 柔道整復師 渡辺雅之