【改善例紹介】左の骨盤外側が痛い・しびれる

こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。

今回は、「左の骨盤外側が痛い・しびれる」というクライアントさんの改善例を紹介します。

この方の痛みは、「内ももの筋肉(内転筋)が硬いこと」が原因で、骨盤外側の筋肉・神経が引き伸ばされすぎて生じた痛み・しびれでした

なぜその部分に痛みがでていたのか、どうすれば改善したのかを記載していきます。

目次

患者さんの情報と訴え

このクライアントさんは40代半ばの主婦の方でした。

3か月ほど前から、歩いている時に左の骨盤外側部分に違和感を感じていましたが、ここ2週間ほどで違和感が痛みに変わってきたとのことでした。

また、痛みとともにしびれのような鈍痛も太ももの外側にでてきたため、整形外科を受診されました。

レントゲン・MRI画像検査を受け、特に神経の圧迫は認められなかったため、痛み止めと湿布を処方されましたが、症状が改善しないため心配になってご相談いただきました。

主な症状としては、

  1. 脚を前後に動かすと痛い(歩行・階段など)
  2. 長時間立っていると骨盤の外側が徐々に痛くなってくる(時々同部位にしびれあり)

でした。

痛みがでていた部分を下以下の画像①、詳細図を画像②・③に示します。

<画像①:痛みの出ていた部分>

余計な筋肉を省き、患部を詳しくみていきます。

<画像②:痛みの出ていた患部>

ここです。

この部分は「中殿筋(ちゅうでんきん)」・「小殿筋(しょうでんきん)」という筋肉です。

また、その表層には皮神経(ひしんけい)があります。

皮神経は、その名の通り皮膚の感覚を支配しており、障害されると皮膚表面のピリピリした感じや痛みがでてきます。

中・小殿筋近くの皮神経を以下の画像③に示します。

<画像③:中殿筋より表層の腸骨下腹神経・外側大腿皮神経>

青の矢印が腸骨下腹神経で、骨盤の側面の知覚を支配しており、
黒の矢印が外側大腿皮神経で、太ももの外側の知覚を支配しています。

今回のクライアントさんは、上記の筋肉と神経に負荷がかかって症状がでていました。

次に、この方の痛みの原因について記載していきます。

この方の痛みの原因

この方の痛みの原因は「内ももの筋肉(内転筋)が硬いこと」でした。

なぜ内ももの筋肉(以下、内転筋)が硬いと骨盤の外側に症状が出てくるのかを説明します。

以下の画像④・⑤をごらんください。

内転筋を画像④、内転筋が硬くなると、脚がどう動くかのイメージ図を画像⑤に示します。

<画像④:内転筋>

<画像⑤:内転筋が硬くなるとどうなるかのイメージ図>

内転筋の作用は、脚を内側に引っぱる作用です。それが画像④の黒の矢印です。

そして、内転筋が硬くなると、脚が黒の矢印の方向に引っぱられた状態が続くため、骨盤の外側にある中・小殿筋や腸骨下腹神経・外側大腿皮神経は、青の矢印のように伸張されます。

筋肉・神経が伸張された状態でも負荷がかかるのに、階段や歩行で股関節を前後に動かすと、より負荷が強くなります。

一度にかかる負荷は小さくても、ずっとその状態が続くわけですから、いずれ組織にかかる負荷が限界に達し、痛みやしびれなどの症状としてでてきたと考えます。

では次に、施術アプローチの要点について記載します。

施術アプローチの要点

施術アプローチの中心は、内転筋の硬さをとっていくことでした。

内転筋の柔軟性をだしていくことで、脚が外側に開くようになり筋肉・神経が過剰に引っぱられない状態をつくることができます。

このクライアントさんの場合には、筋肉が硬くなりすぎてストレッチをしても正しく筋肉が伸ばされなかったため、筋膜リリースから始めました。

筋肉の表層の筋膜を軟らかくすることで、筋肉との滑りが良くなり、ストレッチの効果が高まります。

内転筋は脚を内側に閉じる作用があるため、脚を組んだり、脚を閉じて座っている姿勢をとることが多い方ほど、硬くなりやすいです。

また、お尻の筋力も低下していたためストレッチと並行してトレーニングも行っていただきました。

正しい場所に適切に筋力をつけることで、良い姿勢を自然とキープすることができます。

ストレッチをしていくことで身体の動きがスムーズになり、骨盤外側の「痛み」が減少していきました。

次に「しびれ」が減少していきました。

一般的に、筋肉と神経に同じような負荷がかかっている場合には、神経より筋肉の方が治癒するスピードが速いです。

私は「痛み」は筋肉によるもの、「しびれ」は神経によるものと考えていたため、その考えは間違っていなかったなと確認にもなりました。

整形外科での画像検査で、神経の所見が認められなかったとの話にも助けられました。

まとめ

今回は、「内ももの筋肉(内転筋)が硬いこと」が原因で、骨盤外側の筋肉・神経が引き伸ばされすぎて痛み・しびれがでたクライアントさんの症例を紹介しました。

今回のクライアントさんの場合では、整形外科を受診し画像検査を受け、神経に負荷のかかる所見が認められなかったため、一番疑わしいのは骨盤の外側の皮神経ではないかと考えることができました。

ただ、まれに悪性腫瘍などの絶対に見逃してはいけない疾患で症状がでてくることがあるため、

  • 痛みがどんどん強くなっている場合
  • じっとしていても痛い(安静時痛)
  • 食欲がない
  • 体重が減ってきている

などの症状が出てきた場合には、一度医師の診察と適切な検査を受けることをおすすめします。

また、原因となる部位に正しくアプローチできていれば症状は改善しますが、原因ではないところをいくらストレッチしたりほぐしても、症状が改善することはありません。

私は、あなたの痛みの本当の原因をしっかりと見つけていきます。

当院では、あなたのお身体の状態に合わせて施術を行わせていただきます。

もし何かお困りのことがあれば、遠慮なくご相談ください。

今回も、読んでいただきありがとうございました。

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姿勢と歩行の整体院 柔道整復師 渡辺雅之

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