姿勢と歩行の整体院の渡辺です。
今回は、【股関節の前が痛い原因】について記載していきます。
結論は、股関節の動きが悪い状態で、股関節を動かしているから、股関節の前に過剰に圧縮ストレスがかかって痛みがでています。
正常に動いていれば、痛みがでることはほとんどありません。
痛みの原因は主にお尻の筋肉・太ももの後ろの筋肉が硬いことです。
どうすれば痛みが減るかというと、お尻の筋肉・太ももの後ろの筋肉を柔らかくする(筋膜リリース・ストレッチ)ことです。
このようなことを今回は詳しく書いていきます。
YouTube動画でも解説しています!
股関節はとても動きが大きい関節
股関節は、
- 太ももの骨(大腿骨)
- 骨盤
の2つの骨でできています。


そして、股関節は肩関節と同じく、とても動きが大きな関節です。
その理由は、股関節・肩関節どちらも「球関節」という形をしているので、とっても動きがでやすいんです。
しかし大きく動きがでる関節だからこそ、動きが制限されて正常に動かなくなると、どこかに負担がかかりすぎて、やがて耐えられる限界を超えると痛みとなってでてきます。
痛みの原因は「前に曲げる(屈曲)」と「内側への回転(内旋)」の動きが制限されていることが多い
股関節の前が痛い原因は、正直たくさんのパターンがあり、人によっても違います。
その理由は、股関節の動きが大きく、あらゆる動き方があるため、どの動きが制限されても痛みがでるからです。
そのなかで股関節の前が痛い原因は、特に「前に曲げる(屈曲といいます)」と「内側への回転(内旋といいます)」の動きが制限されていることが多いです。
下の画像で、
「前に曲げる」動きは「屈曲(くっきょく)」、
「内側への回転」の動きは「内旋(ないせん)」といいます。


股関節の前が痛い方は、このどちらか、もしくはどちらも動きが制限されていることが多いです。
これらの動きが制限されると、特に歩いているときに正常に股関節が動かなくなるので、常に負荷が股関節の前にかかり続けます。
なので、股関節の動きを制限している原因を解決すれば、股関節がきれいに動くようになるので、痛みが減ってきます。
痛みの原因であるお尻~太ももの後ろの筋肉を柔らかくしましょう
股関節の前の痛みの原因は、主にお尻~太ももの後ろの筋肉が硬いことです。
下の画像に、
お尻の筋肉
太ももの後ろの筋肉(ハムストリングスと総称されます)
を示します。
どちらも、後ろから見た図です。


これらの筋肉が硬くなってしまっているので、股関節の動きが制限され、きれいに動かなくなっています。
なぜ硬くなるのかにはいろいろ理由があります。
たとえば椅子に座っている時間が長い方は、特に太ももの後ろの筋肉が短くなっている時間が長いので、硬くなりやすいです。
また、腹筋が弱くて姿勢が悪い状態で立っている時間が長い方は、特にお尻の筋肉が硬くなりやすいです。
硬い筋肉を柔らかくする方法
やり方は、大きく3つあります。
- フォームローラーやボールを用いて直接ほぐす(とても硬くてストレッチで伸びにくい方はおすすめ)
- ストレッチ(ねらった筋肉を全体的に伸ばす)
- スクワット(エクササイズ)(筋肉を伸ばし、機能的な筋力もつける)
それぞれに良いところがあり、全部やった方がいいです。
順番としては、1→2→3の順に全部やると最良です。
関節に痛みがでるくらい筋肉か硬い方は、硬さにムラがあるので、ボールなどで特に硬い部分を柔らかくしてムラをなくしてから、ストレッチで全体的に伸ばし、最後に硬くなりにくくするためにスクワットエクササイズをするのが最良です。
伸ばす時間なども後述します。
お尻の筋肉を柔らかくする
お尻の筋肉を直接ほぐす
お尻の筋肉はとても大きく、骨盤の後ろのすべてにあります。
やり方は、ボールやフォームローラーなど少し硬めのものを使います。

おすすめはテニスボールか野球のボールです。
やり方は画像のように、腰への負担をなくすため膝を曲げていただき、お尻との間にボールをいれてください。
この姿勢を維持してください。膝をゆらすように動かしていただいてもお尻に刺激が入るので、おすすめです。
ただ、お尻の奥に坐骨神経(ざこつしんけい)という脚を支配する神経があるので、もしやっていて脚がしびれてきたら、ボールをずらしていただき、しびれがないようにやってください。
お尻のストレッチ
お尻のストレッチはいろいろな方法がありますが、ここでは2種類紹介します。
左の画像がやり方、右の画像が伸びてほしい部分です。




どちらも右側のお尻に伸びている感覚(つっぱっている感覚)があれば大丈夫です。
注意点として、もしこの体勢をとったときに股関節の前が痛かったり、腰に痛みがでる場合は、筋肉が硬すぎてストレッチでは伸びないので、上記のボールなどを用いたほぐしをやってください。
太もも後ろの筋肉を柔らかくする
太ももの後ろを直接ほぐす
「ストレッチでうまく伸びない」、「膝に痛みがきてしまう」という場合は特に、直接ボールやフォームローラーなどでほぐしましょう。

注意点としては、坐骨神経(ざこつしんけい)という神経が太ももの後ろを走っています。
なので、そこにボールなどがあたると、正座をしたときみたいに脚がしびれることがあります。
その場合は、一度あてるのをやめていただき、少し場所をずらすと大丈夫です。
太もも後ろの筋肉のストレッチ
やり方は、いすに座って伸ばしたい方の側の脚を前に出します。
膝をまっすぐにすると痛みがでやすいので、ほんの少しだけ膝を曲げます。
その状態から、背中を丸めず、股関節から身体を前に曲げていきます。
そうすると、太ももの後ろがだんだんと伸びてくる感覚があるはずです。


太ももの後ろは伸びているけれど、膝などに痛みがでていないのが正解です。
無理に伸ばさず「筋肉が伸びているな、つっぱっているな」と感じるくらいで適度に伸ばしてください。
もし、膝に痛みがでたら無理せず中止し、ボールでやる方法を試してみてください。
スクワット(お尻や太ももの後ろの筋肉にきくように)
スクワットはやり方によっては、太ももの前を使ってしまうので、注意が必要です。



ポイントは、上から見たときに膝のお皿をつま先が越えていないことです。
そこから、股関節から上半身を1つと考えて、股関節を前に曲げていきます。
身体が前に倒れようとするので、後ろの筋肉がブレーキをかけようとして、自然とお尻と太ももの後ろの筋肉に力が入ります。
まずは何も持たずに行い、慣れてきたら下の画像のようにダンベルや重りをもって行うと、より筋力が上がります。

ただ、いきなり重い負荷で行うと筋肉を痛める可能性が高いので、気をつけてください。
そして、もしトレーニング後に筋肉痛がきたら、72時間(3日)程度はトレーニングは休んでください。
その期間に筋肉が修復されて強くなるので、72時間経過後に以前より少し負荷を上げて行ってください。
それを繰り返していくことで、眠っている筋肉が使えるようになり、さらに強くなっていきます。
伸ばす時間と頻度がかなり重要
どのくらい伸ばせばいいのかが、とても重要です。
時間と頻度は、1カ所につき「30秒を4回(合計2分)」を「2日に1回以上」です。
ストレッチでは筋肉を広範囲に伸ばしやすいですが、手などで伸ばす方は、一回で伸ばせる部位が限られているので、広範囲を伸ばすためには結果として時間がかかってしまいます。
痛みがある方はかなり硬くなっているので、毎日やったほうがいいです。
ただ、もみ返しといって、伸ばした翌日にアプローチした部位が痛かったりしたら、無理せず、もみ返しがきていない部分をやってください。
痛みが少しでも減る場合はぜひ続けてください
人間の身体はある程度の負荷には耐えられます。
だけど痛みが慢性的に出ている場合は、負荷が一定のハードルをずっと超えている状態なので、身体の治癒力が負荷に負けているので、いつまでも痛いんです。
関節がかなり変形して、軟骨もかなりすり減っている人は改善が難しい場合もあります。
ただ、もしお伝えしたストレッチやエクササイズをやって、痛みが少しでも減ってくる場合には、ぜひ続けてみてください。
この記事を見てくださったあなたの痛みが減ることが一番嬉しいです。

