階段で膝が痛くなる理由【変形性膝関節症】

こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。

今回は、変形性膝関節症の方に多い「階段で膝が痛くなる方への施術アプローチの要点」を記載していきます。

まず「膝の動き」と「階段動作」の特徴をそれぞれ述べ、膝が痛くなる原因を説明していきます。

目次

膝の動きとは

膝の動きは、大きく分けて以下の2つです。

  1. 曲げる
  2. 伸ばす

ここで重要なのが、この曲げ伸ばしの際に「膝は回旋している」ということです。

なので、ドアの蝶番のように単純に曲げ伸ばしが起きているわけではありません。

では次に、階段動作の特徴について述べます。

階段動作の特徴

階段動作の特徴は、昇るときにも降りるときにも「片足スクワットの状態になる」ということです。

スクワットと階段動作の共通点

両足でのスクワットになりますが、画像を下の<画像②>に示します。

<画像②:スクワット>

スクワットとは「体重をかけた状態での膝の曲げ伸ばしの運動」です。

そして階段での動作も同じです。

しかも階段動作は片足で体重を支える時間があるため、両足でのスクワットよりも負荷が大きい「片足でのスクワット」と同様の動きとなります。

では階段の昇るときと降りるとき、それぞれについて記載します。

昇る動作

階段を昇る際のイメージ図を下の画像③に示します。

<画像③:階段を昇る動作>

階段を昇る時というのは、膝が曲がった状態から「膝を伸ばしていく」動きになります。

では次に、降りる動作について記載します。

降りる動作

階段を昇る際のイメージ図を下の画像④に示します。

<画像④:階段を降りる動作>

階段を降りる時というのは、膝が伸びた状態から「体重がかかった状態で膝が曲がっていく」動きになります。

階段動作で膝が痛い原因

では、なぜ階段動作で膝が痛くなるのかについて説明します。

私が考える大きな原因として、以下の4つがあります。

  1. 膝のねじれが強い
  2. 膝の前の筋力が弱い
  3. 膝の前の筋肉が硬い
  4. 足関節の動きが悪い

では、それぞれについて簡単に説明します。

原因①:膝のねじれが強い

1つめの原因は「膝のねじれが強い」ことです。

膝関節というのは、太ももの骨である大腿骨・お皿の骨の膝蓋骨・スネの骨の脛骨で構成されています。(下の画像⑤に示す)

<画像⑤:膝関節>

そして膝関節に痛みがでやすいのは、何らかの原因で大腿骨と脛骨の位置関係が悪くなり、膝の「ねじれ」が強くなっている場合です。(ねじれのイメージを下の画像⑥に示します)

<画像⑥:膝のねじれのイメージ>

この場合には、体重がかかっていない状態で膝を曲げ伸ばししても膝に痛みがでることが多いです。

たとえば、仰向けで寝た状態で膝を曲げたときに膝が痛い場合には、膝のねじれが強いことがほとんどです。

なぜ膝のねじれがあると膝が痛くなるかというと、膝の正常な位置からずれているため、膝の組織に負担がかかり続けるからです。

なので階段では、そのねじれた膝でスクワットをしていることになるため、かなり痛みがでてきます。

※膝のねじれについては過去の記事でまとめておりますので、気になる方はごらんください。

原因②:膝の前の筋力が弱い

2つめの原因は「膝の前の筋力が弱い」ことです。

膝の前の筋肉は、「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」という人体最強の筋肉があります。この筋肉の力が弱っていると、膝に痛みをだしやすいんです。(下の画像⑦に示す)

<画像⑦:右の大腿四頭筋>

この筋肉は骨盤からはじまり、太ももの前を通って膝のお皿(膝蓋骨)を介してスネの骨(脛骨)につきます。

階段でのこの筋肉の重要な働きは以下の2つです。

  1. 昇るときには、膝をまっすぐに伸ばす
  2. 降りるときには、膝が急激に曲がらないようにブレーキをかける

昇るときに膝をまっすぐにするのはお尻の筋肉の力で補うことができるので大きな問題になりません。(むしろお尻の筋肉で昇れた方が良いです)

しかし降りるときには、大腿四頭筋の力が弱いと膝が急激に曲がってしまったり、着地の衝撃を筋力で吸収できないため、膝にダイレクトに負担がかかります。

筋肉がクッションの役割を果たしているイメージです。

原因③:膝の前の筋肉が硬い

3つめの原因は「膝の前の筋肉が硬い」ことです。

この筋肉は、先ほどの大腿四頭筋です。

大腿四頭筋は膝のお皿の骨(膝蓋骨)を介して、スネの骨(脛骨)についています。

ですので、大腿四頭筋が硬いとお皿の骨を押し付ける力が強くなるため、特に膝の前に痛みがでやすいです。(下の画像⑧に示す)

<画像⑧:痛みがでやすい膝の前の部分>

原因④:足関節の動きが悪い

最後に4つめの原因は「足関節の動きが悪い」ことです。

これは歩行での痛みも同様ですが、膝というのは足関節の真上に存在します。

そして、足関節の動きが悪いとスネの骨がまっすぐではなく内側や外側にぶれてしまうため、強制的に悪い位置に膝関節が持っていかれます。

その悪い関節の位置の状態で、体重がかかってくるため、膝の組織に過剰に負担が集中して、痛みがでてきます。

この場合には、特に着地して体重をかけた時の膝の痛みが特徴的です。

まとめ

今回は、なぜ階段で膝が痛くなるのかを解説しました。

原因を4つ挙げましたが、実際にはこの原因がいくつか重複していることが多いです。

ですので、実際にあなたの膝の状態や歩き方、姿勢、筋力などを細かく検査することが重要です。

なぜその部分に痛みがでているのか、なぜその部分にストレスがかかっているのかをしっかりと探求していくことが大切です。

私は、そこをしっかりと見つけていきます。

当院では、あなたのお身体の状態に合わせて施術を行わせていただきます。

もし何かお困りのことがあれば、遠慮なくご相談ください。

今回も、読んでいただきありがとうございました。

【過去の記事で、膝の痛みの記事などをまとめております。気になる方はご覧ください】

膝の前の痛み↓

膝の半月板の痛み↓

膝の内側の痛みと外反母趾の関係↓

膝の内側の痛み(鵞足炎)↓

膝の外側の痛み(腸脛靭帯炎・ランナー膝)↓

・膝関節の記事はこちらから→「膝関節の痛み・症例」の記事一覧

・足関節の記事はこちらから→「足関節の痛み・症例」の記事一覧

・腰の記事はこちらから→「腰の痛み・症例」の記事一覧

・股関節の記事はこちらから→「股関節の痛み・症例」の記事一覧

・肘から手の記事はこちらから→「肘から手の痛み・症例」の記事一覧

・首から肩の記事はこちらから→「首から肩の痛み・症例」の記事一覧

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