足底筋膜炎(足底腱膜炎)になる原因と効果的なストレッチを解説!

こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。

最近では、ランニングやウォーキングをしていらっしゃる方がとても多いです。

私の地元にも名城公園がありますが、多くのランナーでにぎわっています。

そして今回は、足の裏に痛みが出る疾患である足底筋膜炎(足底腱膜炎)になる原因と効果的なストレッチについて書いていきたいと思います。

ここでは、「足底筋膜炎」という呼び方に統一させていただきます。

目次

まずは結論

結論から述べると、足底筋膜炎の原因は、

  1. 足関節の動きが悪いから
  2. 後方重心だから(重心が後ろにあるから)

これら2つです。

そして、足の底面に張っている足底腱膜が歩行を通じて

  • 繰り返し引き伸ばされることによって痛みが出ているタイプ
  • 繰り返し圧縮されて痛みが出ているタイプ

この2つのタイプに分類されます。

足底筋膜炎の病態も踏まえたうえで、以下で詳しく解説していきます。

足底筋膜とは

足底筋膜(そくていきんまく)とは、足の裏を踵(かかと)から足の指の付け根まで張っている強い組織です。

下の画像①に示します。

<画像①:右足を底面から見ている図>

この足底筋膜の役割は、体重を受け止めて分散することです。

2本足で歩く人間の両足には全体重がかかるため、その荷重を支えないといけません。

そこで重要な働きをしているのが、足底筋膜です。

足底筋膜は、足のアーチを作ります。

足のアーチとは

足のアーチには、縦方向のアーチと横方向のアーチがありますが、足底腱膜で重要となるのが縦方向のアーチです。

橋をイメージしていただければわかりやすいと思いますが、橋の多くはアーチ構造になっています。

その理由は、アーチ構造は荷重を支えるのに効率の良い形だからです。

足でそのアーチの底面を支えているのが、足底筋膜です。

足底筋膜が荷重を支える仕組みは、「トラス機構」とよばれ、橋のアーチのように、上からの荷重に非常に強くなります。

下の画像②に示します。

<画像②:足底筋膜が荷重を受け止めます(トラス機構)>

扁平足と足のアーチの関係は、以前の記事でまとめておりますので、気になる方はごらんください。

なので、人間が2足歩行をする限り、足底筋膜にはある程度のストレスが必ずかかっています。

その部分に痛みがでているということは、必要以上にストレスがかかっているということです。

足底筋膜炎とは

では、足底筋膜炎とは、足底筋膜にストレスがかかりすぎて、炎症が生じている状態です。

特徴的な症状としては、

  • 朝1歩目に痛い
  • 歩いていると徐々に足底筋膜に痛みが出てくる
  • 足底筋膜を押したときの痛みがある

といったものです。

痛みのある部分で多いのが、踵の底面の少し内側の部分足の指の付け根のあたりです。(下の画像③に示す)

<画像③:足底筋膜の痛みがでやすい部分>

※通常は痛みだけで、「しびれ」といった神経症状を伴うことはありませんので、しびれがある場合は、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの可能性があるため、注意が必要です。

足底筋膜炎になる理由は

では、なぜ足底筋膜炎になってしまうのでしょうか?

その大きな理由は、

  1. 足関節の動きが悪いから
  2. 後方重心だから(重心が後ろにあるから)

の2つだと私は考えています。

理由①:足関節の動きについて

まず1つ目の理由の足関節の動きに関してです。

足関節の動きが悪いことにより、足底筋膜炎になる2つのタイプがあります。

  • 足底筋膜が繰り返し引き伸ばされることによって痛みが出ているタイプ(牽引力のストレス)
  • 足底筋膜が繰り返し圧縮されて痛みが出ているタイプ(圧縮のストレス)

の2つのタイプです。

痛みのでる場所はそれぞれ異なりますが、このどちらも、足関節の動きが悪いことが原因で生じます。

なので治療としては、足関節の動きをきれいに出すことが非常に重要です。

足関節の動きが良くなることによって、足底筋膜への過剰な牽引力・圧縮力が減ります。

足関節の動きを改善するためのセルフマッサージ

足関節の動きを良くするための、セルフマッサージをお伝えします。

セルフマッサージとは、あなたの手でマッサージすることです。特別な器具などは必要ありません。今すぐにでも開始できます。

このセルフマッサージは、こちらの記事でも紹介しています。

足底筋膜炎だけでなく、O脚の予防にもなりますので、気になる方はごらんください。

マッサージする場所は、足関節の後ろの部分です。下の画像④・⑤に示します。

<画像④:足関節後方の外側部分>

<画像⑤:足関節後方の内側部分>

なぜここをほぐす必要があるかを説明します。

足関節の動きには、そらす動きである背屈(はいくつ)と、曲げる動きである底屈(ていくつ)があります。下の画像⑥に示します。

<画像⑥:足関節の動き>

特に足底筋膜炎の場合には、この「背屈」の動きがきれいにでる必要があります。

この動きがきれいにでないから、足底腱膜に負担がかかります。

そして、背屈するときには、この足関節の後方の部分が柔らかくないと、足の骨のはいるスペースがなくなってしまうので、動きが悪くなってしまうんです。

ここが硬くなっていらっしゃる方は、おそらく軽くマッサージしても痛いと思います。

なので、痛気持ちいいくらいの力でよいので、軽めから始めてください。

ほぐれてくると、マッサージしても徐々に痛くなくなってきます。

理由②:後方重心について

もう1つの理由の後方重心(こうほうじゅうしん)についてですが、簡単にいうと、体重が踵にのっている状態です。

この状態の何がいけないかというと、足の裏の筋肉が働きにくくなるため、足のアーチを持ち上げる力が発揮しにくくなることです。

なので、筋肉で支えられない分、結果的に足底筋膜の負担が増します

あなたもやってみてください。

立った状態で、踵に体重をのせます、そうすると、足の指が浮いてきますよね。(下の画像⑦に示す)

<画像⑦:後方重心を示します>

逆に、体重を踵と反対方向の前にのせてください、そうすると、足の指に力が入るのがわかりますよね。

この状態だと、アーチが持ち上がるため、足底腱膜の負担が減ります。

よく健康雑誌などで、

  • 「ゴルフボールで足底を柔らかくしましょう」
  • 「足の指の運動をして、筋力をつけましょう」

といったことが言われていますが、私はそれだけでは不十分だと考えています。

せっかく筋力トレーニングをして、足の指の筋力がついても、後方重心の場合、そもそも筋力を発揮できないからです。

そのほか、後方重心では膝の前にも痛みをだしやすいです。

気になる方はこちらの記事をごらんください。

後方重心を改善するためのストレッチ

では、後方重心を解決するためのストレッチを紹介します。

伸ばしていただきたい場所は、鎖骨の下から胸の前の部分の筋肉です。

以下の画像⑧をごらんください。

<画像⑧:胸の前の筋肉のストレッチ>

手を後ろで組んで、胸をぐっと前にだすようにすると、鎖骨の下から胸の前の部分がつっぱってくると思います。

この「つっぱっている」感覚がとても大切です。

つっぱっていれば、「筋肉が伸びている」ということですので、ストレッチが正しくできています。

ストレッチ時間は、1回20秒程度です。

それを数回繰り返しましょう。

注意点としては、腰をそってしまうことです。

腰を過剰にそってしまうと腰痛の原因となりますので、腰はあまりそらないように気をつけてください。

まとめ

足底筋膜炎になる大きな2つの理由を記載してきました。

たくさんの方をみさせていただくと、このどちらかだけが該当している方は少なく、2つとも該当している方が大半です。

足関節の動きを改善するには足へのアプローチを行いますが、後方重心に対しては、下半身だけでなく、上半身へのアプローチを行う必要があります。

つまり、足底筋膜を解決するには、全身をみてアプローチする必要があります。

特に、片方の足は痛みはないが、いつも片方だけ痛いなどの症状は、全身的な要因がかなり関係しています。

私はそう考えています。

当院では、姿勢・歩行・骨格の向きなど、全身の評価を通じて、あなたに最適な施術を行います。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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