【改善例紹介】マウス作業での右前腕の痛み・しびれ感

こんにちは。
姿勢と歩行の整体院の渡辺です。

今回は、マウス作業での右前腕部の内側の痛み・しびれ感の症例について紹介します。

(※前腕とは、手首と肘の間の部分です)

目次

患者さんの情報と訴え

この方は、40代の男性の方で、事務職でデスクワークを1日に約5時間程度やってらっしゃる方でした。

数か月前から、パソコン作業、特にマウスを動かしていると1時間に1回程度の頻度で下の画像①の部分に、しびれ感と痛みを感じるとのことでした。(下の画像①・②の青丸部分)

<画像①・②:右手を手のひら側から見た図>

通常しびれというのは、神経が過剰に圧迫されたり、引っ張られたりすることで出てくる症状です。

例えば、長時間正座をすると脚がしびれることがあります。

これは、脚に向かう神経が、正座をすることで膝の部分で長時間圧迫されることで生じます。

では、腕にはどこから神経がきているのでしょうか。

それは首です。

首から出た神経は、鎖骨の下を通って、脇のあたりを通り、腕や手に向かいます。

そして、感覚を支配したり筋肉を動かしたりする重要な役割を果たしています。

ですので、考えられる原因として、

  • 脳での障害
  • 首での障害
  • 鎖骨部での障害
  • 腕での障害

が挙げられます。

今回は、脳に異常がないという前提で記載させていただきます。

首に原因がある方は、一般的に首を反らしたり回転する運動で手や腕に症状が誘発されます。

※厳密な状態把握には医師の指示のもと医療機関で行われるレントゲン検査やMRIなどの画像検査での確認が必要です。

また、鎖骨部での障害が生じると、腕を後ろにひき、胸をはるような動作で、症状が誘発されます。

この方の問題点

そのように、どの部分で神経が障害が生じているかを鑑別するための整形外科的徒手検査を慎重に行ったところ、首・鎖骨部に特に異常は認められませんでした。

この方の特徴として、右手でのマウスの作業の時にしびれ感・痛みが出現するということがありました。

この動作は、肘関節を軽く曲げた状態で、前腕を内側に回す姿勢になっています。

肘関節の曲げる角度を変化させても症状に変化はなかったため、前腕を内側に回す動作に問題があることが一番疑われました。

この動作は医学的には回内(かいない)と表現されます。(以下、回内と表現します)

この動作を行う関節は2か所あり、

  1. 肘に近いほうを近位橈尺関節(きんいとうしゃくかんせつ)
  2. 手首に近いほうを遠位橈尺関節(えんいとうしゃくかんせつ)

といいます。(下の画像③に示す)

<画像③:右前腕を手のひら側から見た図。向かって上側が近位橈尺関節・下側が遠位橈尺関節です>

下の画像④に示しますが、この回内という動きは、肘関節のところと手首のところの2つの関節が車の両輪ように動くことで、手のひらを上に向けたり下に向けたりすることができます。

<画像④:右前腕回内の動き>

そしてこの方の前腕の動き方を確認したところ、肘に近い方の近位橈尺関節の動きが非常に悪かったため、手首に近い方の遠位橈尺関節がその分過剰に動いていました。

そのことによって、下の画像⑤に示す神経部が長時間のマウス作業により過剰に圧迫され、痛みやしびれ感が出現していると考えられました。


<画像⑤:右腕を手のひら側から見た図。青の矢印の部分の黄色い組織が神経です>

施術アプローチの要点

なので施術アプローチの要点としては、近位橈尺関節の可動性を改善させることを中心に行いました。

具体的には、肘から手首の間にある筋肉を柔らかくしていっただけです。

ただ、この方の筋肉は、かなり硬くなっていたため、改善に時間がかかりましたが、徐々にしびれ感や痛みが出る頻度も減少していき、マウス作業でのストレスも改善していったと喜んでいただけました。

まとめ

人間の手は多くの機能を持っているため、一度痛みがでると厄介です。

なぜなら、手は日常生活の中でほとんど動きっぱなしだからです。

たとえば、痛みが出ているということは、その部分が傷ついています。

そしてその傷ついた状態は、ご自身の治癒力で治るようになっていますが、上記の関節の動きの悪さがあると、傷ついた部分が治ろうとしているよりも強いストレスがかかり続けます。

そうなると、治らない状態がずーっと続くため、痛みは慢性化していきます。

そこを一緒に変えていきましょう。

また、今回ご紹介した橈尺関節の動きが悪くなると、手首の腱鞘炎である「ド・ケルバン腱鞘炎」や、肘関節の外側に痛みが出る「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)」にもなりやすいです。

気になる方はごらんください。

※特定の姿勢や動作で症状が出現するわけではなく、じっとしていても症状が非常に強い場合は、内科的な疾患や、悪性腫瘍などの重篤な疾患の場合があるため、注意が必要です。

しかしこの方のようになぜかこの動作で痛い」や、「なぜかこちら側だけ痛い」という症状は、その姿勢や動作に原因がある場合がほとんどです。

当院では、あなたの姿勢や歩行・骨格の向きなどを細かく評価し、原因を探求していきます。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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姿勢と歩行の整体院 柔道整復師 渡辺雅之

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